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About

手から手へ・・・音楽を次代に

 

ポローニア交響楽団は東日本大震災の年、桐朋学園大学の学生を中心に結成されました。

メディアに繰り返し映るすべてを飲み込んでいく津波・・・あとには広大な無が広がっていました。

未曾有の災害の恐ろしさに茫然とした時、音楽家は無力だと思いました。

それでも前に進んでいくには、自分たちに今できることをする。

それが音楽という文化遺産を守り未来へつなぐことになる・・・。

では、音楽にいったい何ができるのだろうかと問いかけた時、音楽の持つ「コミュニケーションの力」に思い至りました。

演奏はその時だけで消えていくものであるにもかかわらず、優れた演奏は、演奏者と聴き手とが一体感を持てるコミュニケーションの空間を創ることができると思うのです。

 

震災から1年半、すべてを失った人々が深い悲しみを抱えながらも、不死鳥のように少しずつ羽ばたき始めた今、私たちは二回目の公演に、灰の中から何度でも蘇るという「火の鳥」を取り上げました。

それはまさしく自分たちポローニアのめざす姿でもあります。

昨年は、学校に残る後輩へ縦に伸ばした手を、今年は横に伸ばし、異なる分野の芸術に携わる、若き美術家とのコラボレーションを試みました。

お互いに触発しあい、より創造的なものを目指せればと願うものです。

私たちはこれからも震災を機につないだ手を離さず、未来へと伸ばし、いつの時代にも

失われない芸術という遺産を手から手へ、大切に伝えていきたいと考えています。

                            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

2012年 第2回演奏会プログラムより

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